「32歳までに2回目の世界一周をする」——これは夢でも趣味の話でもなく、私の経営計画に組み込まれた目標だ。会社と旅はトレードオフの関係ではなく、相互に強化し合う関係だと確信しているからだ。なぜそう言えるのか、どう実現しようとしているのかを具体的に話す。
1回目の世界一周が経営にもたらしたもの
大学卒業後に実行した80万円・8ヶ月の世界一周は、単なる旅行ではなかった。格差の現実を目撃し、多様な価値観に触れ、「自分の常識が常識でない」という事実を体で学んだ。この経験が、Qeightという会社の「なぜ存在するか」の根幹を形成している。
経営の意思決定場面で「旅で見たあの光景」を思い出すことが今でも多い。視野の広さは判断の質に直結する——これは旅をした人間だけが実感できる確信だ。
なぜ「32歳まで」という期限を設けるのか
起業家としての自分に正直に言えば、年齢を重ねるほど長期離脱のコストは上がる。組織が大きくなれば責任が増え、顧客基盤が広がれば離れられる時間が減る。だからこそ「早いうちにやる」という意識が必要だ。また「いつかやる」は「やらない」の言い換えだと1回目の世界一周で学んだ。期限を設けることで、逆算して今何をすべきかが明確になる。
経営と旅を同期させる仕組みの設計
2回目の世界一周を実現するために、私がやっていることは「離れても回る仕組みを作る経営」だ。具体的には①オペレーションの標準化とチームへの権限委譲、②デジタルツールによるリモート管理体制(Slack・Notion・GASによる自動化)、③重要判断だけ自分が担い、日常業務は任せきれる体制の構築だ。「CEOがいなくても90%は回る状態」を目標に、毎月少しずつ仕組みを整えている。
旅は「市場調査」でもある
2回目の世界一周は「観光」としてだけでなく「グローバル市場調査」として設計するつもりだ。製造業・IoT・スタートアップエコシステムが発展している都市(深圳・台湾・ベトナム・インド・ドイツ・イスラエルなど)を重点的に訪問し、現地の起業家・製造業経営者・ベンダーとコネクションを作る。旅の成果を事業に還元できれば、会社にとっても価値のある投資になる。
なぜ「経営しながら世界一周」なのか
1回目の世界一周(27歳、8ヶ月)で学んだ最大の教訓は「日本の常識はローカルルールに過ぎない」ということだ。製造業・物流・決済・インフラ——世界の現場を見ると、日本企業が解決できていない課題が至るところに転がっている。旅は最高のビジネスリサーチだ。
また、経営者は日常業務に追われると目的を見失いやすい。旅の孤独と自由の中で「自分は何のために会社を作ったのか」を問い直す時間は、長期的な経営判断の精度を上げると信じている。
32歳・2回目の世界一周に向けた準備
目標は、Qeightの事業を「自分がいなくても回る状態」にしながら旅に出ることだ。そのために今取り組んでいるのは、業務のオートメーション化・海外インターンへの権限委譲・SOP(標準作業手順書)の整備だ。
経営者が旅に出られる状態は、そのまま「組織が成熟している証」でもある。32歳で世界一周できる会社を作ることは、単なる個人の夢ではなく、Qeightの組織的な目標でもある。
まとめ:人生の目標と事業の目標は統合できる
「経営に全力を注ぐか、人生を楽しむか」という二項対立は、視野が狭いから生まれる問いだと思っている。豊かな人生経験が豊かな経営判断を生む。旅が事業のインプットになり、事業の成長が旅の余裕を生む——この好循環を意図的に設計することが、私が「経営と旅を同期させる」と表現している理由だ。32歳、楽しみにしている。


コメント