2025〜2026年にかけて、REDのガジェット系アカウントで最も投稿が増えているカテゴリの一つがARスマートグラスだ。かつては「プロトタイプ」止まりだったウェアラブル端末が、ついに「使える製品」として日常に入り込んできた。中国でのARグラス普及の最前線を追う。
主要プレイヤーと製品の特徴
現在REDで最も多くレビューされているARグラスは①Rokid Max(若麒智能)、②XREAL Air 2(エックスリアル)、③Vivo AR Glassの3製品だ。Rokid MaxとXREAL Air 2はスマートフォンやPCと接続して使う「ディスプレイ型ARグラス」で、映画・ゲーム・リモートワークを没入感高く楽しめる。重量は70〜80g程度で長時間使用にも耐えられる設計だ。
実用シーン:仕事・旅行・製造現場
REDのユーザーレビューを分析すると、主な活用シーンは3つに集約される。①出張・移動中の作業:新幹線や飛行機の中で、周囲に画面を見られることなく資料確認や動画視聴ができる。②観光・翻訳:カメラ付きモデルではリアルタイム文字翻訳やナビ表示が可能。③製造・物流現場:作業手順のステップ表示、在庫確認、遠隔指導などB2B用途での導入が急拡大している。
中国市場の価格帯と普及ペース
エントリーモデルは3,000〜5,000元(約6〜10万円)、ミドルレンジは8,000〜15,000元が相場だ。2024年比で価格は約30%下落しており、2026年には2万〜3万円台のコンシューマー向け製品が登場するとの予測もある。REDでは「买了后悔了吗(買って後悔した?)」という솔직レビュー投稿が多く、実際のユーザー体験が赤裸々にわかる。
課題:バッテリーとキラーコンテンツの不足
現状の課題は①連続使用時間(2〜3時間が上限)、②重量(長時間使用で鼻・耳への負担)、③対応コンテンツの少なさだ。特に「グラス単体で完結するキラーコンテンツ」がまだ少ないため、「スマホのサブ画面」としての使い方が主流になっている。これはスマートフォンが普及し始めた2010年頃の状況に似ており、「あと2〜3年でゲームチェンジャーが出る」と見る業界関係者は多い。

中国ARグラス市場の注目プレイヤー
中国のARスマートグラス市場は2023年から急速に立ち上がり、2025年時点で複数の国内ブランドが実用製品を市場に投入している。
ROKID:杭州のスタートアップ。ROKID MaxシリーズはAndroid OS搭載で映像・ゲーム・ナビゲーションに対応。法人向けの工場検査・遠隔指示ソリューションとしても採用が広がっている。
Xreal(nReal):日本でも知名度が高いブランド。Xreal AirシリーズはエンターテインメントよりのARグラスで、スマートフォン・PCと接続して大画面表示を実現する。
雷鸟创新(Thunderbird Innovation):TCLグループ傘下。フルカラーwaveguideレンズを採用し、屋外での視認性が高い。
ARグラスが製造業に与えるインパクト
ARグラスが最も実用的な価値を発揮しているのは製造業の現場だ。「遠隔作業支援」では、ARグラスを装着した作業員の視野がリモートの専門家にリアルタイムで共有され、専門家が視野内にAR注釈(矢印・数値・図面)を重ねて表示できる。これにより、専門家の出張コストを大幅に削減しながら作業品質を維持できる。
富士康(Foxconn)・比亚迪(BYD)などがARグラスを生産ラインの品質検査に導入しており、検査精度と速度の両立に成果を上げている。
まとめ:ARグラスはIoTとの融合で化ける
製造業・物流・建設など現場系のB2B用途でARグラスは確実に普及が進んでいる。IoTセンサーとARグラスが連携すれば、作業者の視界に在庫数・機器状態・作業指示がリアルタイム表示される「デジタルオーバーレイ」が現実になる。中国のARグラス市場は今がキャッチアップの好機だ。


コメント